もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

年末の大掃除で本棚を整理していて出てきたのがこの本。
これも何かの縁かと思い9年ぶりに読むことに。

要約すると、「野球嫌いの主人公みなみが親友の女子マネージャーが入院したことにより代役として野球部のマネージャーになり、甲子園を目指す」といったストーリー。

これだけ見るとただの青春ものがマネジメントを絡めることで違った側面から青春ドラマが展開されます。

みなみが最初にやったことは、広辞苑で言葉の意味を調べてみる
「マネージャー」支配人。経営者。管理人。監督。
「マネジメント」管理。処理。経営。
ってことで、本やへ行きマネジメントに関する本を買うことに。
本屋さんのおすすめで世界で一番読まれた本
ドラッカーのマネジメント(エッセンシャル版)を購入

マネージャーの資質
 根本的な資質として『真摯さ』を必要とドラッカーは言っている。

”人を管理する能力、議長役や面接の能力は学ぶことができる。
管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。
だがそれだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである。”
”マネージャーにできなければならないことは、そのほとんどが教わらなくても学ぶことができる。
しかし学ぶことのできない資質、後天的に獲得することのできない資質、始めから身につけていなければならない資質が一つだけある。才能ではない。真摯さである。”

みなみはこれを繰り返し読んで涙があふれだしてきた。とあったが私も目頭が熱くなった。

次にみなみは親友で入院中の夕紀に相談
本の中には「マネジメントをするために最初に「組織の定義づけ」が必要」とあった。
”あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向づけ、努力を実現するには「われわれの事業は何か。何であるべきか」を定義することが不可欠である。”

みなみと夕紀にはそれが分からなかったが、夕紀からみなみが小学生の時のプレーに感動したことを聞いたのだった。

”企業の目的と使命を定義するとき、出発点は一つしかない。顧客である。顧客によって事業は定義される。…略、したがって「われわれの事業は何か」との問いには、企業の外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる。”

またここで顧客とは何かをみなみは考えることになる。結論のでないみなみは野球部のことをもう少し知って分かりたいと思い、観察することにした。

観察する中で野球が一番下手な正義がマネジメントを読んでいることを知り、顧客とは何か、野球部の定義を一緒に考えることになる。
正義は、”倒産寸前のキャデラック事業部のニコラス・ドレイシュタットが「われわれの競争相手はダイヤモンドやミンクのコートだ。顧客が購入するのは、輸送手段ではなくステータスだ」と良い成長事業へと変身した”を参考にすれば『顧客は誰か』っていうのもわかるんじゃないかなと言った。

顧客「野球に携わるほとんどすべての人。野球部員含む」
野球部の定義「顧客に感動を与えるための組織」
目標「甲子園に行く」

定義と目標が決まって次に取り組んだのはマーケティングだった。
”企業の目的は、顧客の創造である。したがって企業の二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。”
”略…、真のマーケティングは顧客からスタートする。略…、「顧客が何を買いたいか」を問う。略…、「顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである」と言う。”

これを参考に、野球部員と夕紀のお見舞い面談を実施しみんなの考えていることを聞いた。
夕紀の分析に感心させられその思いを素直に伝えるようにした。
それは以下の理由だった。
“マネジメントは生産的な仕事を通じて、働く人たちに成果をあげさせなければなたない。”
”焦点は、仕事に合わせなければならない。仕事が可能でなければならない。仕事がすべてではないが、仕事がまず第一である。”
”働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには、①生産的な仕事、②フィードバック情報、③継続学習が不可欠である。”


前半の内容だけでも中身が濃いため少し長くなってしましましたが、マネジメントとは何か参考になるワードがいくつかあったんじゃないでしょうか?

マネジメントの入門編としてもおもしろい内容になっていますので、一度読んでみてはいかがでしょうか?

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